2023,07,28 17:40
昨日、「走り穂」を池袋地区圃場で見つけました。「走り穂」とは田んぼで一番早く出た穂、いわゆる先発隊みたいなものです。4~5日後には出穂期と呼んで問題ないと思います。
田植えが1週間早いところの圃場ではまだ見つけることが出来ません。条件によってこれほどの差が生まれるとは驚きです。植物は「生命に危機が生じると子孫を残して生き延びる」と聞きますが・・・この現象がまさにそうでしょう。
よく考えると、この圃場だけ水源が違います。地元観音山からの湧水を引き込んで栽培しています、よって水温が他水田と比較し低いこと。もう一つ違いは盆地形状になっており風の通りが悪く気温が若干高く推移すること。凡夫の勝手な推測でありイネが何と言うのか?は理解できませんが・・・昨年の走り穂は8月2日でした。年々、出穂時期が早まっており高温障害米にならないか?という不安は尽きません。
R4年度産米の食味はお客様の評判も良く満足いくものに仕上がりました。「おかず無し」で食べ進めることが出来るお米が最終的目標です。その為にはもう一段の工夫が必要だと思い、R5年度は全水田において「追肥」をしませんでした。ここでいう追肥とは「窒素成分」を指しておりミネラル(主にマグネシウム)の追肥は例年通り実施しました。
植物の成長には窒素成分が必須です、よって今季の収穫量は大きく減収になることでしょう。追肥をしたことで収穫時点で玄米に窒素成分が多く残ると「エグ味」が増すことが昔から報告されています。そのエグ味を極力抑え、マグネシウムの力を借りて「甘味」を引き出す栽培方法としました。光合成を高めるには水分が当然必要ですが日陰を作らないことも大切です。当農園の水稲は疎植のため上記フォトの様に「開帳型」で推移します。そこにマグネシウム(苦土)が効いてきますので光合成能力の高い葉になると考えています。炎天下でのつらい作業ですので信じないととても出来ない作業だと思っています。