40日間を振り返る
2019,11,23 12:02 フォトはクリックで拡大
秋の農作業がひと段落したところで、忙しく過ぎた日々を振り返ってみました。
ここ40日間-朝、起きて「さあ!今日は何をしようか?」と迷うことがありませんでした。冷静に考えてみると忙しいことも幸せなことなんだ!と思います。
そして、身体が思う様に動いてくれたことにも本当に感謝しています。
●台風19号;令和元年10月12日に上陸した超大型の台風、我が玉川村でも阿武隈川が堤防決壊そして下流で越水、13日夜中2時ごろ浸水地域が過去最大となり、大きな被害を受けました。水が引けた後には地獄絵図が広がっていました。そして地震より水害の方がはるかに残す爪痕が大きいことを知りました。被害地域の方々のこれから将来の営農意欲が心配されます。
●小生次男が結婚披露宴を催しました。レストランにての本当にささやかなジミ(地味)婚です。住んでいた住居が床上50cmほど浸水して挙式中止も考えたそうですが・・・当日は晴天に恵まれ庭園での挙式が出来たことは神に感謝です
。
●当農園は標高の高いところに位置することで田畑の浸水はありませんでした。そして、田んぼは乾いており刈り取りはスムーズに進みました。夏場、12条間ごとに溝切り作業を実施した効果がここで報われたのです。苦しいときはいつも「アリとキリギリスの寓話」を言い聞かせてきました。
●昨年冬に購入した色彩選別機。今季も大活躍してくれています。お米は1kg当たり50,000粒と言われていますので、30.5kg換算ですと1,525,000粒があることになります。この中から不完全米や異物を瞬時に取り除くのですから人海戦術ではとても無理な話。
当農園の色選機は大企業が導入している2,000万円もする設備ではありませんのでミニマム3回は通さないといけません。仕上げるまでにはそれなりの時間を要するのです。
殺菌剤・殺虫剤を一切使用していませんので害虫には荒らさ放題、等級1等米などありえない現実ですが・・・この強い味方が居ることでお客様からの苦情は一切無いのです。購入したことに後悔などあるはずもありません。
●刈り取りしたお米を乾燥機に投入してお米の水分値を14.5〜15.5に調整します。その後に籾殻を取る籾すりを行い袋詰め致します。そして倉庫に運び込み一時保管。いよいよ出荷できるか?と思いきやそれで終わりではないのです。福島県には放射能検査が義務付けられています。全袋が対象であり検査機のある所まで運び込むのです。これがまた重労働なのです。
当農園はまだ全袋放射能検査を終えていないのです。とりあえずは「新米を待っているお客様に送る分」から検査をして出荷している状態です。
●出荷の合間を縫って「土づくり」もせねばなりません。稲わらを早く分解させるのは微生物の力を借りなければいけません。気温が下がれば微生物の動きが鈍ります。よって寒くなる前に耕起したいのですが・・・。
当農園では窒素分を持つイセグリーン(発酵鶏糞)を10a当たり300kgを散布します。また、愚痴になってしまいますが、各水田に肥料を運ぶだけでも一苦労、
散布して耕起を完了するまでにはそれ相応の時間が必要になってきます。
●ここのところ田んぼの酸性化が気になっていましたので耕起前に有機石灰(カルシウム)を散布してみました。マヨネーズで有名な某メーカーの卵殻です。安価(598円/20kg)で販売されていますので気に入っています。
有機肥料はイオン化しないと吸収されませんので秋口に散布します。ミネラル分がお米の味を良くすると信じなければできない作業です。
●やっと耕起作業に入れましたが気温14℃以下と寒くなってしまいました。致し方ありません。今季は特に感じますが当地域でも秋処理する農家がめっきり減ってきました。米作りに対する意欲が年々減退しているのです。悲しいことです。
しかし小生の「食味追及の情熱」はまだ衰えていませんから・・・。