FARM巌峯寺日記(後期)
■5月
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●1次代掻きから3週間後に2次代掻きを行いますが、雑草の発芽・成長具合が今一つです。やはり東北は寒い!もう少し春先の気温が高いと面白い様に雑草が発芽するのですが・・・。
●2次代掻き・3次代掻きで発芽したコナギ・ヒエなどを土中に埋め込みます。また浮いた雑草・種子は排水口から用水路へ、畦畔に張り付いた雑草は網ですくい取ります。
●田植え前日にプールの水抜きを行い苗箱を軽くしておきます。4.0葉-4.5葉の巨大苗を田んぼに運搬します。これが一人だと本当に面倒な作業なのです。
●最終代掻きから3日以内の田植えを心がけています。除草剤を投入しない水田は雑草発芽より苗活着を優先させないと後で痛い目に遭います。
●「田植え」はセレモニーだと思っています。事前に応援依頼をしておくわけですが当日までに「田植え可能な水田」を作らなければなりません。これが結構キツイのです。
●しかし応援部隊には感謝・感謝です。田植え作業を一人で行うことは非常に効率が悪く、そして困難を極めます。
●田植え後は恒例のバーベキュー。皆様本当にお疲れさまでした。
●本当は補植もお願いしたいのですが・・・気が弱くて言い出せません。
■6月
●今季も福島県に【特別栽培農産物認証】申請をしました。よって圃場に看板を設置します。田植え後から収穫まで3度、監査を受けることになります。
●田植えから4日目以降に1次チェーンを投入します。田んぼの発芽具合にもよりますが根の張らない内に対処しないと後悔するのです。
●1次チェーン投入後は5日おきでチェーンを掛けたい!と思っています。そのペースだと雑草の根が張らず、面白い様に水面に浮いてきます。
●チェーンを引くのは苦しいのですが、「浮いた雑草」を見るとその労苦が報われます。
■7月
●コナギが4葉・5葉になり根を張ればチェーンは通用しません。最終的にこの3連式パワーカルチを投入します。当然、イネの根も痛めるようになります。それよりデメリットは深く掘るために下層で休眠していた雑草種子が発芽して来ることです。
●条間はカルチで対処できますが株間は雑草だらけになります。株間対応のカルチを制作しました。しかし2連式では広い範囲は無理であり局所的に使用しています。
●NO,3フォト溝切機は2011年に購入したもの。コンパクトで非常に軽量です。しかしエンジンは強力。40℃近くの炎天下で小生体重を乗せて走るのです。
●水抜きしてから数日後、排水を容易にするために溝切りを行います。この作業を実施することで排水性が良くなりコンバインでの収穫がスムーズに行えます。
8月以降田んぼに入れませんのでこの「溝切り」は非常に大切な作業と捉えています。
■8月
●年間4度ほど水田周辺の草刈りを実施します。農機具メーカーも次々と優秀な機械を作ってきます。この草刈り機はベストヒット商品であり労力軽減・時間短縮が図れます。
●ここ数年、異常気象(少雨)によりダムからの用水を止められる年が増えてきました。飲料水の取水が最重要ですので灌漑用水は二の次になります。そんな時は水揚げポンプの出番です。
●福島県有機農業ネットワーク主催の稲作勉強会に参加しました。小生は会員なっておりませんが勉強会には福島県を代表する有機栽培実践者がズラリと顔を揃えます。
●8月はイネの花が咲く時期です。咲いている時間はほんのわずか、その期間降雨などありませんように祈っています。
■9月
●9月初旬の落水。コンバインが沈車しない様田んぼを固めていきます。用水路に抜いている水がキレイだと思いませんか?微生物が水を浄化してくれるのです。
●ただいま登熟期。イネは開花して受粉すると登熟を始めます。丸々と太ったお米になってもらいたいものです。
●引き抜いた1穂の粒数を数えてみると282。どの穂も150粒以上はありそうです。頭が重いと倒伏を心配してしまいます。
●樹木にさえぎられ日照が不足する箇所はどうしても軟弱徒長傾向になるようです。コシヒカリの平均高さは80cmと言われます。倒伏が予想される個所に倒伏防止柵を設置します。当然のこと農閑期に樹木伐採を行います。
■10月
●コシヒカリの収穫作業。おいしいお米になったのか?どれくらいの収穫量か?気になるところです。
●収穫後の「乾燥・籾摺り・計量・袋詰め」作業。
●これ以降、福島県から義務付けられている「放射能全袋検査」を実施、その後色彩選別機にて石や金属・ガラス等の異物・不完全米を除去します。
●外部分析機関にて「もう一段上の放射能検査」「残留農薬」「残留有害重金属」「食味値」検査を行い出荷スタートとなります。
※農家直販をスタートしてから品質に関するクレームは一度も戴いておりません。